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PDFファイルにTrueTypeフォントを埋め込んでみる

Adobe Illustrator 8.0から、ようやくIllustratorから作成したPDFにフォントを埋め込む事が可能になりました。
しかし、標準で埋め込めるのは欧文フォントのみで、和文フォントはNewCIDフォントに限定されています。PDFに埋め込み対応になっているCIDフォントは少なく、エヌフォーメディア研究所のタイプバンクシリーズなどのフォントしかまだ発表されておりません。
そこで今回は、PDFに和文フォントを埋め込む方法を探していきたいと思います。

埋め込めるとは?
ファイル(PDF)にフォントが埋め込めるとはどーいう事かと言うと、PDFを受け取った相手側に作成した側で使っているフォントが無くてもそのフォントの形で文字を表示可能にする、という事です。
だったらIllustratorでフォントのアウトラインを作成しているのか、と言うとそうではなく、使われているフォントの使われている文字のフォントだけを埋め込むんでしまうのです(確か...)。フォントのアウトラインを取るのと違う点は、フォントが埋め込まれているPDFをIllustratorで開いても、文字の編集が可能な点です。

Adobeでは、NewCIDに対応したフォントしか埋め込めない、と言っていた様な気がしますが(違ってたらごめんなさい)、既存のTrueTypeフォントでも埋め込みは可能です。しかし、これにはもの凄〜く手間がかかり、単一ページや少数のページなら不便もまだ我慢の範囲ですが、これが膨大な量のPDFとなるとあまり実用的ではありません。
けど今回は「とりあえず埋め込んじゃお」というものなので、その辺は勘弁して下さい。

まず、PDFの作成方法から見ていきます。
ZEROの#4ではAcrobat 3.0当時のPDFの作り方を紹介しましたが、今回は復習の意味も含めて新たに紹介します。
 
PDF作成法その1
Adobe Illustrator 8.0.1Jを使います。IllustratorからのPDF書き出しは、7.0の頃からサポートしてましたが、周知の事実である通り8.0の方が色々といいので(PDF書き出し以外にも)、こちらを利用します。作成方法は至って簡単で、PDFに変換したいIllustratorファイルを開き、別名で保存...でAcrobat PDF形式に保存するだけです。
この時、書き出すPDFに対して様々なオプションがあります。
全ての欧文フォントを埋め込むにチェックし、その下のサブセットを含めるにも“一応”チェックを入れて下さい。その隣の%は、埋め込むフォントがPostScript CIDフォントであれば100を入れ、今回の様にTrueTypeフォントを埋め込む場合は何%入れても埋め込めないものは埋め込めません。
書き出す方法としてはこれが一番簡単かつクオリティの高いものが出来ます。
 
PDF作成法その2
ZERO#4で紹介した通り、QuarkXPressやPageMakerなどのDTPソフトから複数ページのPDFを書き出す事が出来ます。
ただし、その際に一度PostScriptプリンタドライバを使って、PostScriptファイル(拡張子が.psのファイル)を書き出す必要がありあす。また、これにはPSプリンタを持っていなければならないという欠点もあります。
Acrobat 3.0当時では、Adobe PSというAdobe純正のポストスクリプトプリンタドライバをインストールし、セレクタ上で実存する実機のプリンタを選択するか(PSプリンタがある場合)、仮想プリンタというオプションを選択する事でPSプリンタが無くても.psのファイルを書き出す事が可能でした。
現在の最新バージョンのAdobe PSではどーゆー訳か、仮想プリンタを選択する事が出来ません。PSプリンタがある場合はAdobe PSを利用するか、Apple純正のLaserWriter(プリンタドライバ)を利用する事が可能です。
 
PDF作成法その3
AcrobatをインストールするとPDFWriterというセレクタ機能拡張書類がインストールされます。
これを使えば、プリントが可能なアプリケーションであれば大抵PDFを出力する事が出来ますが、画像などに対するクオリティがあまり高くはありません。
 

と、いう事で、今回は主にIllustratorを使った方法でPDFを書き出す事にします。
Illustratorを使えば、PDFWriterやDistillerを通さずに(内部的にはどうか知りませんが)PDFを書き出す事が可能です。
以下の手順に移る前に、PDF作成法その1の手順でPDFを作成して下さい。
その際フォントのアウトラインを取らないで、文字あるいは文章を入力しておいて下さい。
 
注意・埋め込みたいフォントはシステムフォルダのフォントフォルダにインストールされている事が前提です。

1.PDFファイルをAcrobat 4.0で開き、TouchUpテキストツールを選択
2.埋め込みたいフォントを使用しているテキストを選択(TouchUpテキストツールは一度に一行しか選択できません)
3.ツールメニューのTouchUpからテキストの属性を選択
4.テキストの属性パレットが開かれ、ここに選択しているテキストに使われているフォント名が表示されています
ここで別のフォントを選択する事も可能なのですが、詰め情報などが大幅に変わってとんでもない事になる事があるので、フォントの変更はやめておきましょう
5.フォント名の隣に埋め込みというチェックボックスがあるので、ここをチェックします
6.ファイルメニューの上書き保存を選びます
7.保存完了後、ファイルメニューの文書情報、フォントを選択します
8.ここに使用フォントの、表示フォントが埋め込み サブセットになっていれば成功です

上記の方法で、TrueTypeフォントを埋め込む事が可能です。
前述の通り、大量の文章や文字がある場合には不向きというか「こんなん、やってられるか!」というくらい面倒臭い方法ですが...。
この方法であれば、NewCIDじゃなくても埋め込み許可のフラグを持っていないくても既存のTrueTypeフォントでも埋め込みが可能です。

では、ついでにQuarkXPressを使った方法を紹介します。

QuarkXPress上で文字や文章を入力し、TrueTypeフォントを指定しておきます。
そのまま.psファイルを作成法その2の手順で作成します。
これをDistillerでPDFに書き出すと、TrueTypeフォントが指定されている文字はイタリック体がかかった細明朝(Ryumin-Light)に変換されて出力される場合(文字としては認識されている)と、文字データではなく白黒ビットマップ画像になって出てくる場合があります。

Acrobat4.0/Reader 4.0は白黒ビットマップ画像をアンチエイリアス表示してくれるので、一瞬「やった!成功!!」と糠喜びしてしまいますが、実は画像なので後でがっかりします(コラム参照)。
そこでどうするかと言うと、とりあえず明朝系の文字には平成明朝を、ゴシック系の文字には中ゴシックをあてておきます(いずれのフォントもMac OS CD-ROMの中に入っています)。
それから.psファイルを書き出し、DistillerでPDFを書き出します。
この時点で、細明朝やOsakaであればジャギーの目立つ白黒ビットマップ画像になるのですが、平成明朝と中ゴシックは埋め込まれてはいないものの、ちゃんと文字データとして保存されています。
ここで改めてTouchUpツールで文字を選択し、明朝、ゴシック共に使いたいフォントに置き換えて埋め込みをすると、ちゃんとフォントが埋め込まれます。
 
コラム1
Acrobat 4.0/Reader 4.0は、白黒ビットマップ画像をアンチエイリアス表示する事が出来ます。
この為、画像をビットマップにしてしまい、アンチエイリアス表示をAcrobat 4.0/Reader 4.0にまかせてしまう事で、フォントを埋め込まなくても割と綺麗に見えてしまいます。もっとも、拡大していくと化けの皮が剥がれますが。
逆にアンチエイリアスをかけた状態でビットマップ化してPDFにすると、拡大/縮小した場合には汚く(?)表示されてしまいます。これは100%で見た状態で綺麗に見える様にアンチエイリアスをかけてしまうからでしょう。従って100%表示では綺麗に見えます。
しかしPDFの利点はIllustrator同様、ファイルサイズが小さくても拡大/縮小表示しても綺麗に見える、という事にあるので、どうせやるならいっその事白黒ビットマップにした方がいいかもしれません。
ちなみにフォントは埋め込んであっても埋め込んでなくても、アンチエイリアス表示してくれます。
ところでIluustratorは7.0から、フォントとオブジェクトに対してプレビューモードにした場合、アンチエイリアスをかけて表示する事が可能です。ところが、Acrobat 4.0/Reader 4.0では期待していたのにこのアンチエイリアス表示にはフォントだけしか対応してくれませんでした。う〜む、次回に期待。

Acrobatを利用する利点は、上記の様にフォントの埋め込みなどを行える為、IllustratorやPhotoshop、QuarkXPressやPageMakerなどが無い環境下でもほぼ同様に見る事が出来るところです。この為、色校正やデータのチェックなどに利用出来ますが、どこの環境でも同じに見える、といった点を利用してオーサリング的な事も行えます。
リンクツールなどを使えばページ間やファイル間のリンクも張れます。また、フォーム機能やJavaScriptを使って、簡単なものや複雑なアクションを作成する事も出来ます(あんまり実用的じゃない、という噂もありますが)。
そこまで出来るんなら、DirectorやHyperCard、SuperCardみたいにページ間やファイル間の移動時にビジュアルエフェクトをかけられないのか?という要望が出てきます。

“実は出来るんです”。

IllustratorやQuarkXPressなどからPDFを作成する際に、.epsで保存します。
または、一度.psに書き出します。
これらのファイルはAdobeのPostScriptファイル、またはEPSファイルなので、中身はPostScript言語が書かれたテキストファイルです。これをエディタで開き、pdfmarkと呼ばれるコマンド(?)をテキスト(.ps、あるいは.epsのファイル)の先頭に記述してあげます。
これをそのまま拡張子もファイルタイプもクリエータもオリジナルのまま保存し、DistillerでPDFを書き出すと、指定したビジュアルエフェクトがページ/ファイル間の移動時に実行されます。pdfmark自体はDistillerを通す時に無視されるので、変な書き方さえしなければすんなりビジュアルエフェクトを持ったPDFを書き出してくれます。
詳細についてはAcrobat 4.0のCD-ROMの中にあるpdfmarkのヘルプを参照して下さい。
ちなみにこの方法で、こちらの環境下で.psは成功しましたが、Illustratorのepsファイルでは失敗でした。
 
コラム2
Acrobatにはリンクツールやフォームツールで、PDF間にリンクを張ったりする事が出来ます。
オーサリング的な機能も若干備えているので、これは考え様によってはAdobe版簡易HyperCardみたいなものと捕らえる事も出来るのでは?しかし本格的なオーサリング環境ではないので数が多くなってくるとかなりやっかいです。
ポイントとしては、リンクツールでリンクを作成するより若干手間がかかりますが、後々の事を考えるとフォームツールで作った方がいいかもしれません。
おまけ:アプリケーションサポートフォルダの基本と応用
DTPをやる場合(何かこの言葉、変な気がするが...)PhotoshopやIllustrator、QuarkXPressやPageMaker(要するに昔から言われているDTP三種の神器+1)で、沢山フォントを使いたいものです。あんまり使い過ぎるのも考えものですが。
しかしMac OS 8.6まではシステムフォルダのフォントフォルダには128個までしかスーツケースを入れられない、という難点があります(何でもMac OS 9からは512個までOKだとか言う話を聞きましたが)。
これを少し克服する方法として、フォント名が違ってウエイト(文字の太さ)が違う場合はスーツケースを一つにまとめる、という方法があります。
それでも飽き足らない場合は、PhotoshopとIllustrator限定ですが(PageMakerは知らない)、システムフォルダのアプリケーションサポートフォルダを活用しましょう。
この中に、実はAdobeというフォルダがあり(Photoshop5.0以降、あるいはIllustrator8.0以降をインストールしてある場合)、さらにその中にFontsというフォルダがあります。
ここにフォントと入れておくと、PhotoshopとIllustrator上だけではFontsフォルダにインストールしたフォントを使用する事が可能です。
 
更におまけ
システムフォルダ:アプリケーションサポート:Adone:Fontsにフォントを入れて、その中にインストールしたフォントを利用してIllustratorで作業をし、更にPDFを書き出した場合、このPDFをAcrobat 4.0、またはReader 4.0で見ると、欧文フォントは今回紹介した方法で自動的に埋め込みになっていますが、和文フォントは埋め込まれない為に明朝系は平成明朝、ゴシック系は平成角ゴシックに置き換えられて表示されてしまいます。(この時、平成角ゴシックでは半角英数字に和文フォントを指定していると、日本語部分は表示されるのに半角英数字部分が表示されない、という現象が起ります。バグなのかな?)
これはAcorbat 4.0/Reader 4.0がシステムフォルダのフォントフォルダと、自分(アプリケーション)がいるフォルダの中のResourceフォルダの中のFontという名前のフォルダしか表示用に使うフォントとして見ていない為です。
そこで、まずAdobe Acrobat 4.0(またはAcrobat Reader 4.0):Resourceの中のFontフォルダをどこかに移動し、システムフォルダ:アプリケーションサポート:Adone:Fontsフォルダのエイリアスを作成し、名前をFontに変更してAdobe Acrobat 4.0(またはAcrobat Reader 4.0):Resourceの中に入れましょう。
こーする事で、Photoshop、Illustratorと同じフォント環境でPDFを見る事が可能です。
 
注意:ここで紹介した方法はあくまで「こーすれば出来たよ」という程度のものなので、この方法をやってみて、あるいはやらなかった事で起る如何なる事態に対しても作者は一切責任を負いません。
また、他にこーゆー方法もあるぞ、という場合は是非御連絡下さい。

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